矢野政美大人 遺稿集
矢野政美大人 遺稿集03
『いっしん』第53号
昭和46年2月
「安武松太郎大人20年祭を迎えまつりて」
恩師と悲しきお別れをつげてより、もう20年にもなるかと思わせていただきますと、今さらのように、時間の流れの早いことを思います。
私は、もともとこの世に生まれることのできなかった者かもわかりません。
それは、私が生まれる前の年に私の母は、すでに死の直前まで追いつめられておりましたのを、恩師のお取次によって救い助けられたのであります。もし恩師が甘木にご布教になられなかったら、おそらく私の生家は没落して、今では後形もなくなっておることでしょう。
思えば安武恩師は、私の生家にとりましては、救い主であらせられます。恩師は、84年の長い生涯の中で、22才でご神縁をこうむられ、33才で、道の教師としてお取り立ていただかれてより、実に51年間、ただ一筋に「人が助からねば死ぬるまででございます」と、神誓いになられ、み心を貫き通され、何千何万の難儀な人々を取次ぎ助けて下さいました。
この恩師のご一生こそ、この世に例えなき尊いご一生であられたと思わせていただきます。
この恩師が神上がりされます前の1年間は、ただ、静かに無言のままおやすみになって、まったく神様のご境地にお入りになってあるお姿のように拝させていただきました。
2月4日、私はちょうど朝のご結界奉仕から下がらせていただいて、朝食を頂いておるときでしたが、急を聞いて恩師の枕辺にはべりますと、ご家族・出社(でやしろ)教会の先生方に見守られながら安らかにお国替えあそばしました。
今も、恩師の神霊は朝な夕な私どもの上をお取次ぎお導き下さってあると思いますと、もったいないことであります。
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