『加治木布教これからの展開』@
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講師:
金光教大口教会長
安武 秀信 先生
平成十八年二月十二日


 『私の頂く安武松太郎師』を改めて読ませていただき


 今年の五月十四日が、加治木教会の布教五十五年記念祭ということです。
 今日のお話しをさせていただくにあたって、いろいろと考えさせていただきました。
 まず、昭和五十六年に布教三十年祭を仕えられましたときに、前の教会長矢野政美先生が『私の頂く安武松太郎師』という記念冊子を発行なさっておられます。それを引っ張り出しまして、今まで何度も読んではいたのですが、また改めて読ませていただきました。何度読ませていただきましても新たな感動が起きます。特に矢野クラ様の信心の素晴らしさ、それから、クラ様に育てられた矢野政美先生の加治木布教の最初の頃の厳しさ、そのあたりを改めて噛みしめながら読ませていただきました。
 その一文にこうのようなところがあります。矢野政美先生のお父様、矢野クラ様のご主人に当たられる方のことですが、お友達の方がこう仰ってあります。「矢野君、君は家内を拝まんといかんぞ家内のおかげで今のような裕福な家になったのだから」と。
 先ほど先生(矢野章)が紹介なさったように、今は立派な屋敷が建っているとのことでしたが、矢野家の本家は十分裕福になっていったのですね。だからクラ様のご主人に対して村のお友達がそういうことを言ってあるのです。「君は家内を拝まんといかんぞ家内のおかげで今のような裕福な家になったのだから」と。
 そういう話で、皆さんどなたか思い出されませんか。今NHKで大河ドラマがあっていますが、山内一豊の妻という歴史上の人物ですが、有名な方がおられますね。読ましていただきながらそういうことを思います。これはまさしく矢野クラ様は矢野家にとっては一豊の妻だなと思わされます。
 山内一豊の妻は千代という有名な方ですが、一介の侍から城持ちの大名にまでなられるのですね。千代と結婚することによって夫の運命も山内家の家の運命も変わっていくわけですね。
 それと同じように矢野家も、クラ様によってご主人の運命も変わっていくのです。病気で寝ておられたご主人を助けたいがために信心を始められたのです。
 それも最初は金光様の信心ではなく、他のところだったのです。それを導く方があって金光様にお参りになって〈こういう神様ならば〉と思って信心を始める気になられたのです。
 そこからご主人の病気の全快のおかげを頂いて行かれるのです。
 そのようにして、矢野クラ様の信心のおかげで、まず主人の運命が変わるのです。そして、信心を続けられる中に矢野家の運命まで変わって行くのです。良い方に変わっていくのです。
 そうしますと天地の親神様は生神金光大神様をお差し向けになられまして、その取次を通して、各人それぞれをはじめ、各家それぞれを良い運命に切り替えて行きたい導いて行きたい、そういう願いを親神様は持っておられるのです。そういう願いに添って生神金光大神様はお取次下さるのです。その働きをクラ様は生涯にわたって頂きとおされたということです。
 お互いがその神様の働きをどれだけ生かしきっておるかどうかが大切なところです。これは金光教にご縁を頂いておる人は皆そうなんです。

  生神金光大神様を、矢野クラ様も現わされた

 そういう天地の親神様が生神金光大神様を差し向けて一人一人を幸せにして行きたい、しかもこの世だけでなく霊の世界までです。人生はこの世だけで終るのではないのです。霊の世界まで続いているのですから、成仏したとかしないとか言うのです。これは霊様が助かるか助からないかということなのです。
 だから、この世からあの世まで続く人生を神様はずっと引き上げて行きたい、良い人生に導いて行きたい、あるいは家は家として代々繁盛の世界に導きたいという願いを持っておられるのです。天地の親神様はそのために生神金光大神様を差し向けられておられるのです。その信心をするのですからお互いは当然そういう方向に向いて行っていいのですが「おかげは我が心」と仰ってあるのですから、めいめいの心がけしだいなのです。どう信心を頂くかということです。
 たとえば、同じ話を聞いてもどう頂くかは千差万別、十人十色で皆違うのです。同じ金光教の信心をしておっても、矢野クラ様のような方もおられればいろんな方もおられるのです。
 その天地の親神様が願われる生神金光大神御取次の働きをお互いが受け切って生かし切っておるのか、ここが勝負どころなのです。それがお互いの信心の課題だろうと思います。
 (つづく)



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